トルココーヒー【Turkish coffee】(ターキッシュコーヒー)はご存知、砕いたコーヒー豆を専用の鍋に入れ煮立てて、上澄みを飲むコーヒー抽出の方法である。中近東などで今でも広く飲まれている。
専用の鍋はジャズヴェ【cezve】またはイブリック【ibrik】とも呼ばれ、この鍋を直接火にかけるため真鍮や銅製などの金属でできている。独特の把手が付いており日本でいう柄杓に形状が近い。ただ、鍋部は開口部が絞られており、平底なす形になっている。
あーーー!!
トルコ行進曲やーーーーっ!!
「たららららん、たららららん、たららららららららん。」
ですよ。
淹れ方
提供用の飲用カップは専用の凝った作りのものがあるが、ここまでいちいち買う必要もない。デミタスカップで構わない。人数分用意しておく。
以下は1人用のレシピだ。
- コーヒー粉 (極細挽き) 5~10g
- グラニュー糖 5~10g (コーヒー粉と同量程度)
- 水 50~100cc
道具は、ジャズヴェ(鍋)、熱源(コンロ)、長いスプーン(カクテル用で代用)、提供用カップ。専用の鍋(ジャズヴェ)がなくとも、ミルクパンなどで代用できるぞ、一緒に挑戦してみよう。
- ジャズヴェ(鍋)にコーヒー粉5~10gを入れ、同量のグラニュー糖を入れる。コーヒーの粉は粉末状になるくらい極細挽きでよい。
- 水50~100ccを入れ弱火にかけ、スプーンでかき混ぜながら温めていく。泡が吹きたったら、火から降ろし、この泡だけを飲用のカップに移す。
- ジャズヴェ(鍋)内をスプーンでかき混ぜ、更に火にかける。これを3回ほど繰り返して、コーヒーを煮出していく。
- 煮出したコーヒーを飲用のカップに注ぎ、少しそのままにして、コーヒーの粉が沈んだら、上澄みを飲む。
※尚、好みによって、カルダモンやシナモンで風味をつけることがある。
と、いうのが一般的なレシピだ。
覚えきれなかったら、粉10g 糖10g 水100cc で始めるとよい。
極細挽きは電気式エスプレッソ用で構わない。現地では粉挽きミルはスパイス用のが使われていることもある。
ジャズヴェ(鍋)とミルを土産でいただいたことがあるが、ミルは既に胡椒の匂いが付いていた。
現地人に「ほら、ちゃんと使えるだろ」と試し挽きしてみせてくれたのだとか。
抽出のコツは最初は水からスタートして弱火で始めること。
浮いていた粉層がしっかり沈み込むまでゆっくりと。
沈み込むと、意外にも強火力にしても一向に噴き出さない。
100ccでスタートして、出来上がりは80ccなので2割ほど煮詰めた計算になる。
味は、若干 粉っぽいホットチョコレート、が想像できるだろうか。意外にもイヤじゃない。しっとりした粉っぽさが もっともらしく、むしろ好きだ。
占い
飲み終わったカップにソーサーをかぶせてひっくり返し、カップの底に残った粉の状態によって飲んだ者の運勢を占う「コーヒー占い」がある。
全体的に粉が丸形に残っていれば大吉、全体的に粉が残っていない形状ならば大凶といった具合だ。
また、物や人、動物や植物、図形など(または何もみえないなど)の直感的にみえた「形」、その「位置」や「その人の雰囲気」などで当てはめる。
直感的にみえた「形」で占うあたりはどの占いにもよく似ているだろう。
「位置」とは、形状によってカップの上半分は将来、下半分は過去、カップの持ち手側が身近な出来事、遠いほどあまり関わりが少ない出来事としている。
「その人の雰囲気」とは大事な判断基準だ。年齢や性別、顔色、職業柄など、また同伴者がいれば参考になるだろう。
例えばこうだ。若い日本人男性が一人でみえ、「鳥がみえた」という。現地駐在員だろうか。きっと新たなことに挑戦したいのか、するべきなのか。または多少の自由を欲しているのかもしれない。気分転換をお勧めするべきか。
また別の日、今度は初老の日本人男性が奥様と老後の旅行で寄ってくれて「鳥がみえた」という。これは先ほどの若い日本人男性とはワケが違う。充実した旅行の最中だ、しかも年齢を考えても「近い将来、羽ばたけます」とはいえない。一方で奥様は「ハートがみえる」という。旦那様の手前、「新たな出会いがあるでしょう」ともいえず、「この先も旦那様と幸せな日々が約束されている」に落としどころを見出すか。