RESEARCH NOTE / COFFEE LABORATORY
CL-1888浅煎りと深煎りで淹れ方は変わる?実験データと家庭向けガイドで見る違い

浅煎りと深煎り、淹れ方を変えるべきか。豆の中で何が起きているか、いくつかの実験データや家庭向けガイドを並べて順に見ていきます。

豆の構造とガスの話
一般的に、焙煎が進むと豆は膨張し、質量が減って密度が下がるとされています。その結果、孔隙率(多孔性)が増加するという記載もあります。こうした変化は豆の孔構造や豆中の二酸化炭素の量、その脱ガス速度の違いとも関連するとされています。
脱ガスの総量や速度は焙煎度だけでなく、保存期間や処理・品種・焙煎プロファイルにも依存するとされ、粉砕時や湯を注いだ直後の「ブルーム」や抽出開始時の挙動に影響する可能性が指摘されています。
深煎りは「溶けやすい」傾向がある
一部の実測では、焙煎度が高い(=深煎り)の豆は可溶性が高く、同じ抽出レシピで淹れると短時間でより多くの溶解物が抽出されやすいという報告例があります。具体的には、同条件において、深煎りの方が(浅煎りよりも)高い抽出率や高いTDS(抽出された液体の中に溶け込んでいるコーヒー成分の割合)を示した実験例もあります。
もちろん、こうした抽出挙動や可溶性の違いは、実験条件に依存する点もあるのは事実です。

家庭向けガイドが示す湯温やレシピの例
家庭向けのガイドには、焙煎度ごとに湯温の「目安」を示すものがあります。大手コーヒーショップ「B社」の家庭向けガイドでは、湯温を195–205°F(約90–96°C)に設定し、darker roasts(深煎り)はこの範囲の低め、lighter roasts(浅煎り)は高めで淹れるとする記載があります。
C社のガイドにも、焙煎度ごとにさらに具体的な目安が示されています。例として:
- Light Roast:水温200–205°F(約93–96°C)、挽き目 medium‑fine、比率 1:16–1:17
- Medium Roast:195–200°F(約90–93°C)、挽き目 medium、比率 1:15–1:16
- Dark Roast/Espresso:190–195°F(約88–90°C)、挽き目は器具により medium-coarse〜fine
どちらも家庭向けのレシピ例として提示されていますが、それぞれ別のガイドであることに留意してください。
普遍的な数値はあるのか
与えられた範囲の資料には、焙煎度ごとに湯温や挽き目の目安を示す家庭向けガイド例が含まれていました。
以上の事実を並べると、やはり焙煎度に関する今回の疑問は、「変えよう」が答えだと結論付けられました。